殺 


音1【漢音】サツ  【呉音】セツ
音2【漢音】サイ  【呉音】セイ  【慣用】サツ
ころ, そぐ, へらす

「メ(刈りとる)+朮(もちあわ)+殳(動詞の記号)」で、もちあわの穂を刈りとり、その実をそぎとることを示す。


【1】
(1)ころす。刃物でそいで切る。転じて、死なせる行為をすべて殺という。
《類義語》⇒戮(リク)。「殺害」「殺戮(サツリク)」
「刺人而殺之=人を刺してこれを殺す」〔孟子・梁上〕
(2)けずりとる。《同義語》⇒碩(サツ)。「抹殺(マッサツ)(=抹碩。けずったり消したりする)」
(3)すさんださま。「殺風景」
(4)動詞のあとにつけ、たまらないほどひどいの意をあらわす接尾辞。
「笑殺(たまらないほどおかしがる)」
「愁殺(心細くてやりきれないようにさせる)」
「愁殺楼蘭征戍児=愁殺す楼蘭征戍の児」〔岑参・胡笳歌〕

【2】
そぐ。へらす。そぎとって量や大きさをへらす。「減殺」「相殺(ソウサイ)・(ソウサツ)(過不足をあわせて差をへらす)」
「非帷裳必殺之=帷裳に非ずんば必ずこれを殺す」〔論語・郷党〕


「手+殺」(サツ)(そぎ削る)と同系。また散(そぎとってばらばらにする)とも縁が近い。

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