散 |
音 | 【呉音】サン 【漢音】サン |
訓 | ちる, ちらす, ちらかす, ちらかる |
解 字 |
会意。 古い字体は、竹の葉をばらばらにするさまを描いたもの。のち「麻の実、または皮をはぐさま+攴(動詞の記号)」で、植物の皮や実をばらばらにそぎとるさま。 |
意 味 |
(1)ちる。ちらす。ばらばらにちる。ばらまく。ちりぢりに四方に分かれる。 《対語》⇒集・聚(シュウ)。「集散」「離散」 「壮者散而之四方者=壮者散じて四方にゆく者」〔孟子・公下〕 (2)金や財物をばらまく。また、金や財物をどんどん使う。「散財」「施散(シサン)(人々に分け施す)」 「千金散尽還復来=千金散じ尽くせば還た復た来たる」〔李白・将進酒 (3)ちらす。固まりをほぐし、ばらばらにしてなくする。「散悶(サンモン)(うさばらしをする)」 (4)とりとめのないさま。「散漫」 (5)ぶらぶらとしているさま。▽上声に読む。「散人(ひま人)」 「投閑置散、乃分之宜=閑に投じ散に置かるるは、乃ち分の宜しきなり」〔韓愈・進学解〕 (6)固まっていない粉状の薬。「散薬」「胃散」 (7)琴の曲の名。 「広陵散(コウリョウサン)(晋(シン)の子康(ケイコウ)のつくった曲)」 |
家 族 | 刪(サン)(削りとる)・霰(サン)(ぱらぱらちるあられ)・傘(サン)(雨をばらばらに散らすかさ)・山(水をばらばらに分ける分水嶺(レイ))と同系。また砂(ばらばらのすな)や殺(そぎとる)とも縁が深い。撒(サツ)(ばらばらにまく)はその派生語。 |
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