掬 


【呉音】【漢音】キク
すくう


会意兼形声。
右側の字(音キク)は「勹(つつむ)+米」からなる会意文字で、手をまるめて米や水をつつむようにすくうこと。のち、手をそえた掬の字で、その原義をあらわす。また、まるくつつんだ意を含む。


(1)(キクス)すくう(すくふ)。
片手または両手をまるくして、その中へ水をすくいとる。また、手のひらをまるめて、その中にのせる。
「掬水=水を掬ふ」「流花去難掬=流花去りて掬し難し」〔高啓・水上盥水〕
(2)「可掬(キクスベシ)」とは、手にすくうほど多いこと。手にとって見るほど明らかである。
「饑寒之色可掬=饑寒の色掬すべし」〔杜子春〕
「舟中之指可掬也=舟中の指掬すべし」〔春秋左氏伝・宣一二〕
(流された敗残兵が、救いを求めて舟に手をかけると、指を切って突き放したため、手ですくえるほど、指の残骸がころがったこと)
(3)両手一ぱいほどの量。
▽春秋・戦国時代の一掬は、約〇・二リットル。

菊(まるくつつんだ形をした球状のきくの花)・鞠(キク)(まるいたま)・球と同系。

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