效 


【漢音】コウ(カウ)  【呉音】ギョウ(ゲウ)
、しるし、かい、いたす、ならう


会意兼形声。
交は、人が足を交差させた姿。平行線をたどれば、どこまでも結果が出ない。交差してしめあげたところに結果が出る。効は「力+音符交」。実際の結果を出すよう努力すること。效は「攴(動詞記号)+音符交」で、二つのものを交差させて、てらしあわすこと。もとは別字。


(1)しるし。かい(かひ)。
ききめ。「効果」「効験」
(2)(コウアリ)(カウアリ)きく。
効果がある。ききめがある。また、そのさま。
「不効、則治臣之罪=効あらずんば、則ち臣の罪を治け」〔諸葛亮・出師表
(3)いたす。力を出し尽くす。効果をあげる。「自効=自ら効す」
「効死而民弗去=死を効すも民去らず」〔孟子・梁下〕
(4)ならう(ならふ)。まねる。
▽本来は效と書くべきだが、効で代用した。
《同義語》⇒傚(コウ)。「倣効」
「尤而効之罪又甚焉=尤ありてこれに効ふは罪又甚だし」〔春秋左氏伝・僖二四〕


交(×型に交叉する)・校(木を交叉させた足かせ)・郊(交叉して往き来する−交通、だけの範囲)・効(力を絞り出す)・傚(コウ)(みならう)・佼(体をくねらせる → つやっぽい人)などと同系。


「教」とは、AとBの間に交流の生じることを本義とする。おしえるAの側からいえば「おしえる」ことに違いないが、受けるBの側からいうと「效(なら)う−まねる」ことである。したがって、教育の「教」と、倣效(みならう)の「效」とは、同じ動作の両面にすぎない。
この「效」(ならう、まねる)の一面を強調した入声の字が、「學」である。
【漢字語源辞典(藤堂明保)より】

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