道 


【呉音】ドウ(ダウ)  【漢音】トウ(タウ)
みち, いう, みちびく


会意兼形声。
「(足の動作)+音符首」で、首(あたま)を向けて進みいくみち。また、迪(テキ)(みち)と同系と考えると、一点から出てのびていくみち。
▽首(シュ)の古い音は道の音符となりうる発音であった。
「道を歩く、ズルズルと長く引っぱる、先頭に立って進む」などの意味を含む。
ひとすじ長々と続くミチのこと。
「道」を開陳するの意に使うのは、自分の考えを引きのばしてのべる意。


(1)みち。頭を向けて進んでいくみち。ある方向にのびるみち。
《類義語》⇒路。「道阻且長=道は阻にして且つ長し」〔詩経・秦風・蒹葭〕
(2)みちばたで。途中で。
「道聴而塗説=道に聴きて而塗に説く」〔論語・陽貨〕
(3)みち。人の行うべきみち。
「道徳」「正道」「道不行=道行はれず」〔論語・公冶長〕
(4)基準とすべきやりかた。専門の技術。「王道」「覇道(ハドウ)」「医道」
(5)宗教の教え。信仰をもとにした組織。「伝道」「仏道」「一貫道」
(6)道家・道教のこと。老子を祖とし、無欲を旨として長寿を願う教え。「道観(道教の寺)」「道術」
(7)行政区画の名。
唐代には全国を十道にわけ、明(ミン)・清(シン)代のころには、一省をいくつかの道に分けた。「道台(道の長官)」
(8)《俗語》いう(いふ)。のべる。
▽唐代以後の俗語では、「謂曰…(いひていはく)」を「説道…」という。去声に読む。
(8)みちびく。先にたってある方向へと引っぱる。▽去声に読む。
《同義語》⇒導。「道之以政=これを道くに政を以てす」〔論語・為政〕
《日本語での特別な意味》みち。武芸や趣味・芸術などについて一派をなしたもの。「合気道(アイキドウ)」「茶道」

導・疇・寿・条・條・育・充・虫・祝・呪など <細長くのびる> と同系。


 古典では「道」と「導」を混用する。
ズルズルと長く引き出すことを「導」といい、またことばを長く述べることを「道」という。(「イウ」と訓読する)。
 もちろん、先頭に立って道を進む、リードする意味にも「導」を用いる。

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